大阪・関西万博とは?
新しい技術や国・文化の交流を促進し、世界共通の課題に取り組む国際的なイベント「国際万国博覧会(万博)」。
開催国やテーマを変え、大規模な万博は5年に一度のペースで開催されます。
2025年4月13日(日)から10月13日(月)までの約6か月間にわたり開催される2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)。本万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界中の人々が一つの「場」に集まり、交流を深めます。会場を新たな技術やシステムを実証する、「未来社会の実験場」と位置づけ、多様なプレーヤーによるイノベーションを誘発し、それらを社会実装していくための、Society5 .0 実現型会場を目指しています。
会場である夢洲は、大阪港に浮かぶ人工島で、万博後にはスマートシティ化が進むと期待されています。
本記事では、大阪・関西万博の開催期間や場所、そしてその主な内容について詳しくご紹介します。
- 開催期間:2025年4月13日~10月13日(約6か月間)
- 開催場所:大阪市・夢洲(ゆめしま)
- テーマ:「いのち輝く未来社会のデザイン」
- サブテーマ:「Saving Lives(命を救う)」「Empowering Lives(命を強める)」「Connecting Lives(命をつなぐ)」
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万博の注目ポイント
大阪・関西万博では、160を超える国・地域・国際機関が最新技術や独自の文化を紹介します。
”People’s Living Lab(未来社会の実験場)”のコンセプトを実現すべく、最先端の技術やシステムが集結、来場者は新しい社会を体感できるのが魅力です。
1. シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)
最大の見どころは1周2キロメートルの世界最大級の木造建築物「大屋根(リング)」。高さ12~20メートル、幅30メートルあり、建物の上を歩いて会場や大阪湾を見渡すことができます。
中心部には「いのち」について考える”シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)”、各界で活躍する8人が主導する創造的なパビリオンを8館配置。
- 生物学者 福岡伸一氏プロデュース「いのち動的平衡館」
館内には直径10メートル、全周30メートルの円柱状にシアターシステムを置き、暗がりの中で無数の光が集合したり流動し、細胞分裂や動物の誕生が繊細な光の粒で表現される。 - ロボット工学者 石黒浩氏プロデュース「いのちの未来」
水しぶきを上げて流れ落ちる滝が建物を覆うパビリオン。建物はいのちの象徴でもあり、無機物と有機物を結びつける要素である水に着目し、水景を生かした建築表現となっている。 - 音楽家 中島さち子氏プロデュース「いのちの遊び場 クラゲ館」
クラゲをイメージした透明な屋根のデザインで、内部で世界の音楽や民俗芸能を体験できる。 - データサイエンティスト 宮田裕章氏プロデュース「Better Co-Being」
屋根も壁もなく、万博会場中央にある静けさの森と一体となって佇むパビリオンです。
来場者はアートを軸にした体験を通して、一人ひとりの多様な豊かさと、持続可能な未来の調和の中で共に歩み、未来を考えます。 - メディアアーティスト 落合陽一氏プロデュース「null²」
フィジカルとデジタルの境界を併せ持ち、デジタルネイチャーを象徴する建築物 - アニメーション監督 河森正治氏プロデュース「いのちめぐる冒険」
「宇宙・海洋・大地」に宿る、あらゆる命のつながりを表現。アニメ「マクロス」シリーズの原作・監督・メカデザインを手掛けたことで知られる河森氏の創造性に満ちたパビリオン。 - 映画作家 河瀬直美氏プロデュース「Dialogue Theater-いのちのあかしー」
建物に廃校となった木造校舎を利用する。合計3棟を大阪・関西万博の会場である大阪・夢洲(ゆめしま)に移築。2階建ての校舎を分割して積み上げるといった、大胆な再構成でパビリオンを形づくる。
2. 国内パビリオン「日本館」
国内パビリオンは「日本館」、「ウーマンズ パビリオン」、「大阪ヘルスケアパビリオン」、「関西パビリオン」の4つのパビリオンがあります。ここでは「日本館」の概要をご紹介します。
1. テーマとコンセプト
人間だけではありません。すべての動物や植物は、あらゆるモノは、そして社会でさえも、ひとつの役目を終える瞬間に何かが受け継がれ、カタチを変えながら新たな役目を獲得する、というつながりの中に存在します。そんな「いのちといのちのあいだ」に目を向けてみると、この世界は無数の「小さな循環」によって成り立っていることに気づくはずです。
これからの豊かさとは、すべてのいのちに敬意を払いながらその意味や価値を見つめ、大きなつながりの一部となることで生まれるはず。そしてそれは、この国に息づいてきた自然観や美意識に他なりません。
「いのちと、いのちの、あいだに」
はじまりもおわりも存在しないひとつの循環の中で、あなたは何を感じ、何を考え、何を受け継ぐでしょうか。
2. 主要な見どころ
日本館は、微生物のはたらきによって、ごみが分解されあらゆるいのちの源でもある水へと姿を変える「プラントエリア」。藻類の力と、日本が誇るカーボンリサイクル技術により、ものづくりの素材が生まれる「ファームエリア」。日本が培ってきた伝統的なものづくり、その心と技を受け継ぐ持続可能なプロダクトと出会う「ファクトリーエリア」の3つのエリアで循環を表現しています。
・「ファームエリア」:藻類×ハローキティ」藻類の魅力と可能性をハローキティが紹介
人類よりもずっと昔から地球上に広く存在している藻類。普段はあまり意識しませんが、昨今、地球温暖化や食料問題といった人類共通の課題を解決し得る「切り札」として注目されています。
様々な課題を解決する多様な藻類への関心を高めるため、世界中に愛されるキャラクター、ハローキティが藻類になりきって、藻類の持つ魅力と無限の可能性を紹介してくれます。
エリア内に設置した「フォトバイオリアクター」では、スピルリナという微細な藻類を、少ない水と光エネルギーで効率的に培養し、重なり合った藻類と太陽がもたらすような優しい光が織りなす幻想的な空間を創出し、あたかも森林浴のような癒しの体験を提供します。
・「ファクトリーエリア」の展示を解説するナビゲーターは、日本を代表するキャラクター「ドラえもん」が担当。ファームエリアの主役であった藻類を「素材」とし、化粧品や衣類、食品など、循環から生まれた様々な「もの」が展示されます。
また、日本館は、万博会場内のごみを集め、微生物の力によって水やバイオガス等へ分解するひとつの装置となっています。館内では水や二酸化炭素などの無機物と、エネルギーを活用して藻類を培養します。日本館で育てられた藻類は、食べものや工業製品といった新たな「もの」へとかたちを変えていきます。それらは人々の生活でその役目を終えた後、再びごみとなりやがて自然に還ります。
パビリオンを一周することで、来場者はその循環の過程をインスタレーションで追体験し、いのちといのちのあいだに存在するものを見つめ、気づき、思いを巡らせます。
3. 建築デザイン
円環状の構造体によって、いのちのリレーを体現する日本館は、ホスト国のパビリオンとして唯一無二の存在感を放ちます。最大の特徴は、円を描くように立ち並ぶ無数の「木の板」。その隙間からは内部を垣間見ることができ、中と外、展示と建築の連続によって、日本館のテーマにもある「あいだ」を来場者が意識するきっかけをもたらします。主にCLT(直交集成板)で構成される「木の板」は、万博終了後に日本各地で建物としてリユースされることを前提に、解体や転用がしやすいよう工夫されています。
4. 体験型プログラム
「ごみを食べる日本館」。その正体は、バイオガスプラント。万博会場内で出たごみが、微生物のはたらきによって分解され、バイオガスとして再生される。その過程をインスタレーションで追体験しながら、プラントで生み出されたエネルギーが日本館を動かすさまを体感する「生きたパビリオン」です。3つのゾーンで構成される館内をぐるりと一周することで、日本の美意識である「循環」の意義を理解し、自分自身も、その果てしなく壮大な物語の一部であることを感じていただきます。循環は、はじまりも終わりも存在しない永遠のつながり。3つある出入口のどこから入り、どこから出るかによって、異なります。
3.民間パビリオン
パナソニック、吉本興業など13館。バンダイナムコは「機動戦士ガンダム」の世界観を発信し、日本ガス協会は「化けろ、未来」をテーマに「おばけ」たちと一緒に未来に向けて化ける参加型アトラクションを提供する。
NTT、電力館、住友館、パナソニックグループ、三菱未来館、PASONA、BLUE OCEAN DOME、TECH WORLD、飯田グループ×大阪公立大学、ORA外食パビリオン
4.海外パビリオン
万博は単なる展示会ではなく、未来に向けた創造的な挑戦と交流の場でもあります。スイスがSDGsを意識して万博史上最軽量の球体の建物に挑戦、などその魅力を現地で体験してみてください。参加国や詳細は公式ホームページでご確認ください。ここでは4カ国の概要をご紹介します。
国名 | メインテーマ | 概要 |
---|---|---|
アメリカ合衆国 | 共に創出できることを想像しよ | 侘び寂びから着想を得た三角形の木造建造物が特徴。ライトアップされたキューブが配置され、2面のLEDスクリーンからはアメリカの名所が映し出される。来場者は人類の英知を前進させるような未来を描く体験がかなう。 |
カナダ | 再生(Regeneration) | 春に凍った川の氷が溶けて流れる風景をイメージした外観が特徴で、自然の美しい氷の造形が見どころ。内部では、カナダの温かさや開放性を感じながら、革新性・多様性・創造性・持続可能な社会に向けた取り組みを体験できる。 |
オーストラリア連邦 | Chasing the Sun ― 太陽の大地へ | ユーカリの花から着想を得たパビリオンデザインが国の活気と多様性を象徴している。持続可能性を考慮し、過去の国際イベントで使用された資材を再利用している。最新技術や文化、ダイナミックな社会を体験できるイベントやビジネスプログラムが充実し、来場者は没入型体験を通じて、オーストラリアの魅力を新たに発見できる。 |
国際赤十字・赤新月運動 | 人間を救うのは、人間だ | 突如として理不尽に日常を奪われる人道危機の厳しい現実をドームシアターで体験。赤十字の活動を身近に感じ、困難な状況でも助け合う人間の絆を感じることができる。苦しむ誰かのために、自分にもできることがあると考えるきっかけになるだろう。 |
アイルランド、イタリア共和国、インドネシア共和国、ウズベキスタン共和国、英国、オーストリア共和国、オマーン国、オランダ王国、カタール国、クウェート国、サウジアラビア王国、シンガポール共和国、スイス連邦、スペイン王国、タイ王国、大韓民国、チェコ共和国、中華人民共和国、ドイツ連邦共和国、トルクメニスタン、フランス共和国、ベルギー王国、ポーランド共和国、ポルトガル共和国、モナコ公国、ルクセンブルク大公国、北欧館
5.未来社会ショーケース
- 水素船:海を通じて万博会場に航路で移動する来場者に、よりスマートで、よりクリーンな移動手段が提供されます。
- EVバス:走りながら自動給電するバス。そのEVバスに実際乗ることができ、万博会場内のルート走行を楽しめます。
- 自動翻訳システム:純国産の翻訳エンジンを搭載した各種ツールを提供し、「言葉の壁」のない未来のコミュニケーション環境が実現されます。
- バーチャル万博〜バーチャル会場〜:オンライン空間上に3DCGで夢洲会場を再現し、アバターでバーチャル会場を散策。リアルの夢洲会場では、ARコンテンツも楽しむことができます。
- カーボンリサイクルファクトリー:大気から直接CO2 を回収する技術(DAC)やCO2 とH2からe-メタンを合成するメタネーション等、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する技術について実証設備を見ることができます。
- 来場者向けパーソナルエージェント:誰もがストレスなく会場内を周遊するための会場案内アプリが提供され、効率的で快適な万博体験がサポートされる。
万博公式アプリEXPO 2025 Visitors
EXPO 2025 Visitorsは、パビリオンやイベント、レストランなどたくさんある万博の魅力をお届けします。
6.大阪・関西万博公式主催イベント
・One World,One Planet.世界がもしもひとつの国(星)だったなら(会期中の日没後、毎日実施予定)会場全体の音響や映像装置、さらには来場者の持つデバイスなどが、まるでひとつの大きな生き物の細胞のように連動し光り出す、世界中の想いを繋ぐ願いのモーメント。
・「水」と「空気」のスペクタルショー「アオと夜の虹のパレード」(ウォータープラザにて、会期中の日没後、毎日実施予定)大屋根リング内、南側の水面「ウォータープラザ」で行われる、水、空気、光、炎、映像、そして音楽が織りなす水上ショー。
その他、多種多様なイベントが毎日行われます。
大阪・関西万博への入場・アクセスについて
1. 大阪・関西万博へのアクセス
夢洲への自家用車乗り入れ規制について
大阪・関西万博への来場は、原則として電車・バスなどの公共交通機関をご利用ください。
万博会場への自家用車等の乗入れはできません。
自家用車でお越しの方は、舞洲、尼崎、堺の万博P&R(パークアンドライド)駐車場に駐車し、P&Rシャトルバスに乗り換えて万博会場までご来場ください。
2.チケットについて
チケットは、開幕券、前期券、一日券、平日券、夜間券、特別割引券、通期パス、夏パス、一般団体割引券、前期学校団体割引券、後期学校団体割引券があります。チケット購入・来場日時等の予約方法は、公式ホームページもしくは指定の旅行代理店等から行います。チケット購入の流れは下記の通りです。
※令和6年9月17日からイオンモール(大日・大阪ドームシティ)、キューズモール(あべの・もりのみや)等で「万博来場サポートデスク」を設置しています。チケットの購入の仕方がわからないなど、お困りの方はぜひご利用ください。リンクはこちら
※大阪・関西万博では、秩序維持及び安全対策・保安上の観点から、大型手荷物の持込みを禁止されています。事前に宿泊ホテルや出発地付近の駅・空港のロッカー等へお預けの上、ご来場ください。
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周辺観光も楽しもう!
1. USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)
万博会場から近いUSJは、訪日観光客にも大人気のスポット。特にハリー・ポッターエリアや任天堂ワールドは必見。
2. 大阪の食い倒れエリア「道頓堀」
万博帰りに、たこ焼きや串カツを楽しめる道頓堀は観光の定番です。
3. 大阪城公園
歴史好きには大阪城がおすすめ。夜のライトアップも幻想的です。
おわりに
2025年の大阪・関西万博は、未来社会を考える絶好の機会です。1970年開催の大阪万博は約6400万人もの来場者を迎え、技術革新のプラットフォームとして機能しました。当時披露された「ワイヤレステレホン」、「地域冷暖房システム」、「電気自動車」などの技術は、現在の私たちの生活に深い影響を与えています。
また、古来より政治・経済・文化の中心地であった関西は、脈々と受け継がれる豊かな食文化や伝統文化が息づいています。美しい自然や四季折々の景色も、国内外から訪れる人々にとって大きな魅力です。
この特別なイベントが、単なる展示会以上の意味を持ち、多くの人々にインスピレーションを与える場となることでしょう。未来の扉を開くその瞬間を一緒に楽しみましょう!