1985年、阪神タイガースは 38年ぶり の日本一を達成しました。この年のタイガースは、ただの優勝では終わらない、まさに 奇跡の年 であり、今でも多くのファンの心に深く刻まれています。私は当時学生でした。スマホのない時代だったため、日本シリーズが平日に行われていた日はこっそりとラジオを教室に持ち込むクラスメイトもいるほど教室も盛り上がっていました。
今日は、あの1985年の日本一、タイガースの栄光の瞬間を振り返りたいと思います。
1. 1985年の戦力と強さ
阪神タイガースが日本一を達成した1985年、2回目の吉田義男監督体制の1年目のシーズンで、1リーグ時代から約38年ぶり、2リーグ制になってから初となる日本一を達成したシーズンとなりました。このシーズンの年間観客動員数は球団新記録となる260.2万人で、前年から1.34倍に増えました。選手会長は岡田彰布選手、スローガンは、3F(フレッシュ、ファイト、フォア・ザ・チーム)」
今でも語り継がれている伝説が生まれたのも1985年、4月17日。開幕4試合目の巨人戦のことです。
1対3と阪神が2点を追う7回、ツーアウト一塁二塁の場面、3番バース選手がバックスクリーンへ逆転のスリーランホームラン。続く4番掛布選手もソロホームラン。さらに5番岡田選手もバックスクリーンへ。クリーンアップの3者連続ホームランで逆転勝ち。40年ほどがたった今も阪神の伝説の名場面として語り継がれています。
打撃陣の爆発力
まずは ランディ・バース選手 の存在が何と言っても大きかったです。シーズン中、バース選手は 打率.350、54本塁打、134打点 を記録し、見事に 三冠王 に輝きました。その圧倒的な打撃力でチームを牽引し、阪神打線を強力なものにしました。バース選手の他にも真弓選手が打率.322、34本塁打、84打点、掛布選手が打率.300、40本塁打、108打点、94四球、岡田選手が打率.342、35本塁打、101打点をそれぞれ記録しました。ベストナインには、真弓選手、バース選手、掛布選手、岡田選手が選ばれ、ダイヤモンドグラブ賞には掛布選手、岡田選手、平田選手、木戸選手が選ばれました。チーム全体としては、打率が.285、219本塁打、731得点でした。
2. セ・リーグ制覇とその先の日本シリーズ
1985年10月16日神宮球場 対ヤクルト戦、2位広島と6.5ゲーム差をつけており、この日、勝つか引き分けるかで優勝が決まる状況となっていました。先発投手は阪神がゲイル投手、ヤクルトが荒木大輔投手。5対5の同点で延長に入り、10回引き分けでセ・リーグ優勝を成し遂げました。
そして迎えた 日本シリーズ。対戦相手は、当時最強を誇る 西武ライオンズ。西武は圧倒的な強さを持つチームでしたが、タイガースはこの強敵を見事に退けていきます。
第1戦(西武球場) 10月26日(土)13:00〜
両チームとも無得点のまま8回表の阪神の攻撃を迎える。先頭の真弓選手がツーベースヒットを放つと、続く弘田選手もヒットを放ち、無死1,3塁。そしてバースがレフトへ3ランホームランを放って阪神先制する。先発の池田投手が完封に抑えて阪神が勝利。
勝投手:池田 負投手:松沼博 本塁打:[神]バース(8回3点工藤)
第2戦(西武球場) 10月27日(日)13:00〜
3回裏に石毛選手のソロホームランで西武が先制。しかし、直後の4回表に先頭の真弓選手のサードゴロを三塁手秋山選手の悪送球で出塁。弘田選手のバント失敗でランナーが入れ替わるが、続くバース選手がレフトへ2ランホームランを放って阪神は逆転勝利。
勝投手:ゲイル 負投手:高橋直 セーブ:中西 本塁打:[神]バース(4回2点高橋直)[西]石毛(3回1点ゲイル)
第3戦(甲子園) 10月29日(火)13:00〜
2回表に岡村選手のタイムリースリーベース、辻選手のタイムリーヒット、石毛選手の2ランホームランで西武が4点を先制。バースが3試合連続となる3ランホームランで1点差としたが、西武は4,8回表に1点ずつ加え、結果阪神は4対6で敗北する。これで阪神は2勝1敗
勝投手:東尾 負投手:中田良 本塁打:[西]石毛(2回2点中田良)、[神]バース(3回3点工藤)、嶋田宗(9回1点東尾)
第4戦(甲子園) 10月30日(火)13:00〜
両チーム無得点のまま6回表の西武の攻撃、二死二塁の場面でスティーブ・オンティベロス選手が2ランホームランを放ち先制。その裏に真弓選手のソロホームランで1点差とすると、8回裏に弘田選手の犠牲フライで阪神は同点に追いつく。しかし、9回表に西武は西岡選手が2ランホームランを放ち、阪神は2対4で敗北する。これで2勝2敗のタイ。
勝投手:永射 負投手:福間 セーブ:東尾 本塁打:[西]スティーブ(6回2点伊藤)、西岡(9回2点福間)[神]真弓(6回1点松沼博)
第5戦(甲子園) 10月31日(木)13:00〜
第1戦で勝利を収めた池田投手が先発。1回裏に真弓選手が内野安打で出塁。弘田選手のバントとバース選手の四球で1死1,2塁で掛布選手が3ランホームランを放って阪神が先制。さらに平田選手のタイムリーで1点追加。2回表に大田選手のソロホームラン、3回表にスティーブ選手のタイムリーヒットで西武は2点差とする。しかし、5回裏に長崎選手が2ランホームラン、7回裏にも追加点を挙げ、阪神が7対2で勝利。これで阪神は3勝2敗となり、日本一へ大手をかけた。
勝投手:福間 負投手:小野 本塁打:[西]大田(2回1点池田)[神]掛布(1回3点小野)、長崎(5回2点石井)
第6戦(西武球場) 11月2日(土)13:00〜
1回表に二死からバース選手が四球を選び、掛布選手、岡田選手の連続ヒットで満塁とする。続く長崎選手がライトへ満塁ホームランを放ち阪神が先制。1回裏に石毛選手のソロホームランで西武は1点を返すが、2回表に真弓選手のソロホームランで阪神は再び点差を広げる。5回表には掛布選手の犠牲フライ、7回表にはバース選手のタイムリーヒットでさらに点差を広げる。そして9回表に掛布選手の2ランホームランで9点目をあげ、勝利し、日本一を成し遂げた。
勝投手:ゲイル 負投手:高橋直 本塁打:[神]長崎(1回4点高橋直)、真弓(2回1点高橋直)、掛布(9回2点渡辺久)[西]石毛(1回1点ゲイル)
日本シリーズMVPにはバース選手が、日本シリーズ優秀選手賞には真弓選手、長崎選手、ゲイル投手の3選手が選出された。また、バース選手はシーズンでの三冠王に続いて日本シリーズでも三冠王となった。
3. ファンにとっての1985年
1985年の日本一は、阪神タイガースファンにとって、言葉にできないほどの感動的な出来事でした。優勝が決まった日の午後10時頃には梅田駅に集まった数千人のファンが「六甲おろし」を合唱しながら御堂筋を行進し、一部のファンは、道頓堀川に飛び込んだり、ケンタッキーフライドチキン道頓堀支店前のカーネル・サンダース像が道頓堀川に投げ込まれたりと言ったことがニュースにもなりました。
道頓堀に飛び込む方が61人…経済効果は1000億円!
4. 終わりに
1985年の日本一を振り返ると、今も昔も日本最強の打線である真弓選手・弘田選手・バース選手・掛布選手・岡田選手・佐野選手・平田選手・木戸選手……、そして山本投手・中西のダブルストッパーが果たした役割も大きかったです。あれから何年経っても、タイガースファンの心には1985年の「日本一」の栄光は心に残り続けています。あの時の熱い想い、喜びの瞬間を忘れずに、これからもタイガースを応援し続けたいと思います。
阪神タイガースの1985年、日本一の歴史は、これからも語り継がれるべき名勝負とともに、ファンの胸に永遠に刻まれることでしょう。
2023年の阪神タイガースの日本シリーズ優勝も、どの試合も熱戦で目が離せませんでした。毎日ハラハラ、ドキドキの連続で楽しく観戦させていただきました。
今シーズンは残念ではありましたが、来シーズンも期待しています。
いつも感動をありがとう!!
来シーズンも全力で応援します。