クライネ・レビン症候群(反復性過眠症)と診断されるまで 

雑記

診断までの道のり

現在20歳の息子は、昨年、クライネ・レビン症候群と診断された。この病気は、100万人に一人の非常に稀な神経疾患で、主に若年層、特に思春期の男性に多く見られ、過度な眠気(過眠)や行動の変化、認知機能の低下が主な症状である。発作的に症状が現れ、普段は健康な状態が保たれる。不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現する。医療関係者の間でもあまり知られておらず、なかなか周囲にも理解してもらえないことが多く、息子は病気以外の面でも辛い思いをしてきた。そこで、少しでも多くの方にこの病気のことを知っていただき、また、息子の経験が、側で見てきた親の立場からではあるが、同じ病で苦しんでいる方や、まだ診断されず困っている方の参考になれば、との思いで経験を赤裸々に書いていこうと思う。あくまでも、医療に関して素人の感想であることをご容赦いただきたい。

発症時のエピソード

発症は2017年。この病気の診断が下りるまでに6年もの時間を要した。息子の主訴は、①朝、眠たすぎて起きあがれない。②日常生活に支障をきたすほどの強い倦怠感がある。③頭がぼんやりして勉強ができない。というものであった。発症は、中学1年生の9月に急性胃腸炎に罹り、その日から現在まで症状は続いている。急性胃腸炎から1週間経っても、2週間経っても朝起き上がることができなかった。胃腸炎は2〜3日で症状が治っていたのだが、状態を聞いても”しんどい・・・”としか言わない。小学生の頃は毎週末少年野球チームで汗をかき、中学に入っても部活動に参加して、毎日元気に過ごしていた。そんな息子が急にベッドから出なくなったのだ。

小児科へ

2017年9月、急性胃腸炎にかかり、それをきっかけに朝起き上がれない、体がだるいという状態が続き、かかりつけの小児科を受診。その後紹介された総合病院の小児科で、起立性調節障害疑いと診断され、メトリジンを処方されるが改善せず。2回目受診時にカウンセリングを勧められたが、本人は悩み事がないから受けないと言い、それ以降受診しなかった。それからは、五月雨登校(週1回程度)が続く。夜眠れず、昼夜逆転に近い状態になった。

睡眠外来へ

その年の12月、大学病院の睡眠医療センターを受診。自宅から近い、睡眠専門の病院を紹介され、1年ほど通院。リタリン、光治療を行ったが、体調は全く改善しなかった。再度かかりつけ小児科の先生に相談し、総合病院の精神科睡眠外来を受診。自宅から近い心療内科を紹介され、1年通院。この時期息子は学校に通えないことにストレスを感じてか、食事量がかなり減っていたため、栄養失調と診断された。ビタメジン配合カプセルB50、ハイシー、ツムラ当帰飲子エキス、マイスリーを処方される。

2019年2月~2020年8月 有名な小児科クリニックを受診。脳波、発達検査、MRI、表面筋電図検査を受ける。(異常なし)エビリファイ、マイスリー、ストラテラカプセル、デプロメール錠、リスパダール錠。(このクリニックに通院中、2020年4月 高校入学、2020年6月 通信制高校へ転校。本人にとって、かなり辛い選択を経験した。)

精神科へ

2020年8月 小児科クリニックから心療内科・精神科を紹介される。デパケンR錠、ドグマチール、リボトリール、キプレス錠、マイスリー、エビリファイ服用。

橋本病併発

2021年3月 甲状腺機能低下症と診断。チラージン服用(数値が良くなり2021.9より服用していない)。

寝つきが悪く、途中覚醒するので2021年11月別の睡眠専門クリニックを受診中。ロゼレム 4mg、デエビゴ5mg、マイスリー5mg、メイラックス1mg服用。

2022年1 月アナフィラキシーショックを起こして救急車にて搬送、入院。

腎・内分泌外来受診

2022年7月 寝つきが悪い、2度寝、肩こり、背中痛、足が重い(ふくらはぎの張り、力が入らない)、倦怠感、頭のふらつきがあり、朝から活動できず。大学病院を受診。慢性疲労症候群疑いで別の大学病院を紹介され、11月受診。慢性疲労症候群疑いで比較的自宅から近い総合病院を紹介され、2023年5月まで通う。

2023年6月、現在通っている病院で、クライネ・レビン症候群と診断された。初診で診断されたのだが、それまでに受けた多くの検査結果があったおかげで他の疾患が除外され、発症のきっかけが感染症であったことより確定診断となった。

実際は、ここに書いている倍くらいの病院を受診した。書かなかった理由は、大人になれば治ると相手にされなかった病院が数件と、かなり怪しい病院が含まれているからである。怪しい病院についてだが、早く良くなって欲しいという思いから、宣伝文句に釣られ、実費治療で高額なお金を支払ってしまった。栄養療法を行なっているのだが、超高濃度の成分が入っているサプリメントを渡され、1ヶ月の薬代が数十万円もかかった。しかも、先生とは1分ほどしか話すことができず、あとは、看護師のセールストークを長時間聞かされただけである。当然治ることはなかった。弱みにつけ込んだ、商売っ気たっぷりの病院には十分気をつけなければならない、と改めて思う。

次回は、現在行なっている治療について記そうと思う。

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